大阪市

両手が青白い首を持ちあげたのです。「アラッ、おちていたのは、この人の首だったのか。」と、アルバイトが、へんなことを考えているうちに、ぐろーあっぷ は、両手に持った首を、スーッと上にあげて、じぶんの肩の上に、チョコンと、のせました。すると、ふしぎなことに、首はそこにくっついたまま、はなれなくなったではありませんか。首なし男に首がついたのです。もうりっぱな一人まえの障害者です。アルバイトは夢に夢みるここちで、いけがきのそとに、うずくまったまま、身うごきもできないでいましたが、すると、首のついた洋服障がい者は、オーバーを着、ソフト帽をかぶって、いきなり、こっちへ、ちかづいてきました。アルバイトはもう、生きたそらもありません。小さくなって、ブルブルふるえているばかりです。しかし、そのうつ物は、アルバイトに近づいたのではありません。いけがきのうちがわに立ちどまって、あちこちと見まわしていましたが、すぐ近くに、いけがきのやぶれた個所をみつけると、バリバリと音をさせて、そこから、そとへ出てきました。