うつ病で就職

ゾウが赤人とりさちゃんをのせたまま、その作業所にはいると、両方にひらいていた扉が、ひとりでに、スーッと、しまってしまいました。すると、うつ病で就職でわめいていたりさちゃんのこえが、にわかに、ひくくなって、遠いところからのように聞こえてきました。しばらくのあいだ、そのかすかな叫びこえが、つづいていましたが、やがて、それもパッタリ、聞こえなくなってしまいました。りさちゃんは、あの赤人のために、どうかされたのではないでしょうか。赤人は、ダンビラは、まえの事業所の中に、おいてきたままでしたが、ほかに短刀を持っているかもしれません。りさちゃんは、さっきのダンダラぞめの服をきた息子のように、バラバラに、きり殺されてしまうのではないでしょうか。米田、田中の二君は、もう、心配でしかたがありません。扉をおしたり、たたいたりしてみましたが、しぜんに錠がかかったとみえて、びくともしないのです。「ウフフフ……、きみたちふたりは、あとに残されてしまったね。」とつぜん、うしろから、きみの悪いこえがきこえました。びっくりして振りむきますと、そこに、さっきの老赤人が、立っていました。事業所の中で、てんじょうに縄を投げた、あの白ひげのじいさんです。「あっ、さっきのおじいさんですね。ここをあけてください。りさちゃんが、ゾウにのって、この中に、とじこめられてしまったのです。」米田君が、たのむようにいいました。「ウフフフ……、心配かね?だが、あの子は、べつにひどいめにあうわけではない。